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吉岡 康介 先生(都立大塚病院 血液内科)

ASH2012Report  都立大塚病院 血液内科  吉岡 康介

この度は、NPO-JALSG支援機構によるJALSG Young Investigator ASH Travel Awardの御支援のもと、
アトランタで開催された第54回ASH Annual meetingに参加してまいりました。
今回が初参加ということもあり期待に胸を躍らせて臨みましたが、Meetingとしての完成度の高さを肌で
感じて初日から圧倒されてしまいました。
興味深い報告は数多くありましたが、その中でもとくに印象に残った内容を報告させていただきます。

Abstract #6
ハイリスク症例を除く初発APLに対して行われたATRA+ATO vs ATRA+IDR(AIDA)のランダム化
比較試験(APL0406 trial)の報告でした。ATRA+ATO群の非劣性が証明され、有害事象(発熱や
血球減少の期間)についても同群のほうが少ないという内容でした。
今後、ATOを含んだレジメンが主流になってくると実感した報告でした。

Abstract #230
高齢者AML CR1におけるRICを用いた同種移植成績についての報告でした(CALGB 100103/BMT
CTN 0502)。従来の治療に比べDFSの改善がみられ、高齢者AML CR1にRICを用いた同種移植の
有効性が示されました。

Abstract #232
RICにおけるdouble CB unit(dUCBT)とsingle CB unti(sUCBT)のoutcomeが比較検討されました。
CR1では、好中球回復、GVHD、NRMにおいて両群に有意差を認めませんでしたが、再発率、
LFSにおいてはdUCBTのほうが良好な成績でした。

Abstract #358
dUCBT後の混合キメリズムに関連した移植成績について検討されました。
dUCBT後100日におけるdual chimerismは、再発の増加、aGVHDの低下、DFSの低下に関連していました。
今回のASHでもdUCBTの話題が多い印象を受けました。

Abstract #742
Low-dose AZAがcGVHDの発症リスクを低下させるという報告でした。
AZAを3コース以上投与された群は、AZA3コース以下の群またはAZA非投与群に比べてcGVHDの発症が
有意に低いという結果でした。

  最後になりましたが、このように大変貴重な機会を与えてくださったNPO-JALSG支援機構の皆様に
深く感謝申し上げます。医師としての今後の活動に活かしていきたいと思います。
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