よりよい白血病治療のために
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川尻 昭寿 先生(国立病院機構仙台医療センター 血液内科)

ASH2012Report  仙台医療センター 血液内科  川尻 昭寿

 私にとって今回のASHは初めての国際学会であり、またアメリカに行くのもこれが初めてでした。
演題応募はしていたのですが残念ながら採用されません でしたので聴講のみとなりました。
幸運にもアトランタ直通の飛行機に乗ることができ、金曜日にはアトランタに到着しました。
アトランタは私の予想よりは暖 かかったですが、オリンピック公園はクリスマスの電飾で溢れておりました。

 数多くの印象に残るプログラムがありましたが、自分にとって最も記憶に残ったのは2日目の
Scientific Plenary Sessionであったように思います。
 APLのうち、白血球数10,000/μL以下の低~中間リスク群の症例において従来のAIDA療法と
ATRA+ATOのみからなる治療群に無作為に 振り分けた第Ⅲ試験の報告をイタリアのDr.Lo-Cocoが
されていました。ATRA+ATO群はAIDA群に比較して血球減少の頻度が明らかに少ない にも関わらず、
優位に2年EFSが良好であるとの報告でした。自分は医学生のころからAPLの患者様に関わる機会が多く、
医学生から今に至るまで何度か APLについて小さな発表を行うことがあったこともあり、非常に興味深く
聴講しました。

 同じセッション内でクリーブランドクリニックの牧島先生が、多発性骨髄腫におけるSETBP1過剰発現が
不良な予後と関連するという発表をされており ました。発表の内容もさることながら、同じ日本人でまた
お若い先生があれだけの大舞台で立派に発表されている姿がとても強く印象に残りました。

 最終日の夜にはJALSGの皆様とAwardを受賞された皆様の懇親会に参加させていただきました。
JALSGの重鎮の皆様からは非常に勉強にもなる 熱いお話を聞かせていただきました。
Awardを受賞された方には私のような聴講目的の方もいらっしゃいましたが、ポスター発表や口頭発表を
された方もい らっしゃいました。今回のASHでは様々なことを学べて満足していたつもりでしたが、
皆様のお話を聞いているうちにふつふつと自分も発表する立場になりた いという強い想いが芽生えて
きました。ASHに参加する前は演題が通らなかったことにも恥ずかしながらさほど違和感を感じて
いなかったのが、牧島先生の発 表を拝聴したり懇親会で皆様のお話を聞いたりすることでこのような
気持ちを抱くようになったことは、参加する前には予想もしなかった収穫であったように思 います。

 これは懇親会でも先生方がおっしゃられていたことですが、ASHは学会参加の点数目的などではなく
純粋に知識やイノベーションを求めて世界各地から大 勢の人間が集まる場でした。
聴講されている方々にも気迫を感じることができ、そのような環境に触れることができたことは得難い
経験であったと思います。
この気概を忘れることなく、日々の診療にあってもただ漫然にこなしていくだけでなく、今度は自分が何かを
発信できる立場になれるよう、科学的な視点も持ち続 けていきたいと思います。
今回は貴重な体験をさせていただき、誠にありがとうございました。
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