よりよい白血病治療のために
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小林 宣彦 先生(済生会前橋病院 血液内科)

ASH2012Report  群馬県済生会前橋病院 小林宣彦

 この度はJALSG Young Investigator ASH Travel Awardで勉強させて頂く機会を賜り、
大変感謝しております。
今回参加させて頂いた第54回米国血液学会について御報告させて頂きます。

 開催地である米国南部ジョージア州アトランタは、過去にオリンピックが開催されたり、
コカコーラ社を始めとした大企業が本拠地を構える米国屈指の大都市です。
また南北戦争の要地で、映画「風と共に去りぬ」の舞台になるなど文化的にも実に興味深い歴史を
持っています。
学会本会場は、CNN本社に隣接する ジョージアワールドコングレスセンターでした。
海外学会は初めての参加でしたが、まずはその会場規模と参加者数に圧倒されました。
発表演題については演題 は多岐に渡っており、私は主に教育講演を中心に参加しましたが、
oral sessionやposter sessionでも各国で行われている臨床試験の現状や治験を大まかに知ることが
でき勉強になりました。

 AML 教育講演では、genetic markerによる予後予測とそれに基づく治療方針の戦略について始まり、
MRDの評価・再発時の早期発見、新規薬剤について講演がありました。
novel mutationとしてIDH1,DNMT3A,TET2,IDH2,ASXL1,PHF6,MLLなどをおう挙げ、更にFLT3-ITD
mutationの有無によるrevesed risk stratificationが示されています。またMRDについては、
今後白血病幹細胞の定まった評価方法が望まれるといった状況でした。再発時の新規 薬剤による
治療としてClofarabine,Tsedostat,FLT3 inhibitors,mTOR inhibitors,decitabine,azacitidine,vorinostat
などの使用成績の報告が出てきています。

 AML oral sessionでは、演題番号43:clofarabine 22.5mg/m2 day1-5+IDA 6mg/m2 day1-3+
AraC 750mg/m2 day1-5群でCR 74%,18ヶ月OS約60%との報告で、40歳未満ではIDA+AraC群よりも
有意差を持ってOSの改善が見られたとする報告がありました。
Decitabine 単独での維持療法は予後の改善は見られなかったとの報告もありました。

MM oral sessionでは、現状ではBortezomib+iMIDsを基本としたinduction regimenから、
可能であればMelpharan+Bortezomibでの前処置・自家末梢血幹細胞移植が望ましい治療法であると
されました。
また Carifilzomibが初期治療薬やcytogenetic changeに左右されない薬剤として有望視されています。

 最新の知見ではありませんが、pearls and pitfalls in the hematology Labという教育講演も大変勉強に
なりました。実際の症例についての考察でしたが、人種における症状の違いなど日本での鑑別診断への
approachが新 鮮でした。
また、発表スライドや内容にジョークを交えて聴衆の集中力を切らさないようにするなどといった工夫も
見られました。

 poster sessionでは、ポスターのコピーを配布していたり、インターネット上のポスター内容へのリンクを
公開していたり、発表者が興味を持った閲覧者に積極的にアピールしているように感じました。
人的交流の場の要素が強いことを実感しました。

参加中、語学力が不十分であるため不便を感じることも少なからずありましたが、やはり今後医師として
最新の知見を追って行くためには、語学力は最低限必要な能力であると感じ、勉強していくべきと感じ
ました。

 最終日、JALSG主催の懇親会では日本全国の先生方と交流することができ、
それぞれの先生方が今回のASHをどのように感じたかを聞くことができ、大 変良い刺激になりました。
今回は自分の発表はなく参加しましたが、今後は是非演題を持って参加できるように努力したいと
思います。
 最後に、このような素晴らしい機会を与えていただいたJALSGに改めて感謝申し上げるとともに、
多忙な日常業務を代行して下さった済生会前橋病院の諸先生方と、休みなく病気と闘う患者さんたちへ
心より感謝いたします。
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