よりよい白血病治療のために
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安藤 弥生 先生(NTT東日本関東病院 血液内科)

この度、2015916日から19日まで、Houstonで開催されたSociety of Hematologic Oncology (SOHO) 2015annual meetingに参加いたしました。造血器腫瘍の臨床に重点をおいた学会であり、若手血液内科医にとって、身近に感じやすく、また帰国後の日常診療にすぐに生かせる知識を得られる学会でした。若手も国際学会に参加し、そして発表するチャンスを与えるという、M.D Anderson Cancer Centerをはじめとする主催の先生方のお考えの元、SOHOよりtravel grantをいただき、恵まれた環境で参加してまいりました。

 昨年度のASHにも参加し、規模の大きさや情報量の多さに圧倒されたため、今回はより臨床的な話題が多いと聞いておりましたが、前日に会場を見学した際にはASHの際に感じた緊張感がよみがえってきました。


 いざ始まってしまったら、あっという間に時間が過ぎていきました。今回のSOHOでは悪性腫瘍の免疫学的な治療の話題が多かった点が印象的でした。まずは、How I treatから始まり、過去の治療から改善されてきた点、また現在の治療がかかえる限界点などを抽出し、今後の流れにつなげていく。あまり日常臨床で経験したことのない分野でも、その疾患の歴史と現在と未来に、スムーズに溶け込むことができました。特に、最近徐々に適応の可能性を広げている、CAR-T cellの話題は興味深く拝聴しました。CLLのみならず、NHLAMLでも開発がすすんでいるようです。その他、PI3K inhibitorや新しい抗CD20抗体、BTK阻害剤など、リンパ系腫瘍ではさまざまな抗体製剤が有効な治療薬として期待されているようでした。もちろん、AMLではMRDに応じた予後のリスク分類また寛解後療法を検討するという戦略など、骨髄系腫瘍でも長いOSおよびRFSを追及した治療薬の検証がすすみ、近い将来は、急性白血病において造血幹細胞移植の位置づけが変わってくる可能性を感じました。


 最終日には、現在M.D Anderson Cancer Centerで勤務されている、日本人のDr.にお会いし、病院を案内していただく機会がありました。広大な土地に、多くの研究施設が備わっており、ひとつの医療都市のような規模を誇っておりました。お忙しい中お時間をいただきました先生にはとても感謝しております。

 
今後も、
travel grantは続き、募集人数も増えるようです。日本の若い先生方には、ぜひ参加して刺激を受けていただきたいと願います。造血器腫瘍をより臨床的な側面から勉強できるだけでなく、若いうちからも症例をまとめ、外の世界に発信していく大切さを実感できると思います。最後になりましたが、このような機会をいただき、また現地でもご指導いただきました、大野竜三先生に深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
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