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坂本 奈美 先生(浜松医科大学 血液内科)

SOHO2018参加報告書

 この度、2018年9月12日~15日にTexas州HoustonのHilton Americansで開催されたSociety of Hematologic Oncology (SOHO) 2018 annual meetingに参加させていただきました。
この学会はまだ歴史は浅いものの年々規模は拡大しているようで、第6回目となる今回は、約1300人の参加者が世界40ヵ国近い国と地域から集い、3日半に渡る会期中に各疾患別に10個のセッションと149もの演題が用意され、朝から晩まで造血器腫瘍について理解を深めるという、内容・スケジュールともに非常に濃い学会でした。 

 教育的な側面が強い学会ということは話には伺っておりましたが、基礎研究よりも臨床主体であったこともあり内容にスムーズに入り込めただけでなく、何よりありがたかったのは講義で実際に使われているスライド資料がダウンロードにより各個人簡単に入手可能であったことです。
英語での講義かつ日本よりも2、3歩先を進んでいる内容にくらいつくのは骨が折れましたが、スライドが手元で閲覧できることで、聞き逃したり耳では理解できなかったりした部分をその場で少し戻ってチェックできたり、表やグラフの細かい部分をしっかり見られたり、最新データの引用文献なども確認することができ、理解をより深めることができたように思います。
全体を通じて共通していたのは、どの疾患分野でもCAR-T療法の臨床応用がかなり進んでいること(実際に複数の前治療歴がある治療抵抗性の症例に投与され、劇的に奏効しているものもあり驚きました)、微小残存病変の検出方法の進歩などが挙げられ、強く印象に残りました。
症例数が十分でなく、副作用のマネジメントや費用面などの問題などまだまだ課題は多いようですが、近い将来日本でもCAR-T療法を含む新たな治療法が選択肢の一つとなる可能性を感じ、期待が膨らみました。 

 また、どの講師の先生のプレゼンテーションも非常に引き込まれるものばかりで、1人でも多くの聴衆に内容を伝えようとする自信に満ち溢れた堂々たるプレゼンテーションはどれもすばらしく、日頃の自分のプレゼンテーションを省みる良い機会となりました。
全体的に女性の講師の先生もかなりたくさんおられ、日本よりも女性の活躍が目立っていたことも刺激を感じました。
 
 今回、このような貴重な経験をさせていただくことができ、とても有意義な3日半でした。私個人としては初めての国際学会参加となりましたが、馴染みやすい内容が満載であっただけに、SOHOが特に若手血液内科医が参加しやすくなるよう、今後ますます日本からの参加者が増えていくことを願っています。
最後になりましたが、travel grantにご推薦いただき、今回このような学会への参加とポスター発表の機会をいただきました、大野竜三先生に深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
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