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仲 亮祐 先生(大阪赤十字病院 血液内科)

 この度JALSGのご支援をいただきまして2021/12/11-14に開催された63rd ANNUAL MEETINGに参加させていただきました。アトランタで 現地開催されていたようですが、オンラインでも同時に視聴可能であったので、日本から参加させていただきました。しかし、映像は洗練されていて、現地で参加しているような臨場感がありました。今回は臨床系の演題についてのオーラルセッションを中心に数多く視聴しました。

 ASHに参加して一番驚いたのはphase 1-3 studyの多さです。既在の治療の新たな組み合わせだけではなく、日常臨床の中では決して耳にしないような薬剤が数多く登場しました。例えば、DLBCLやFL、MMに対するbispecific antibodyやCMLに対するSTAMP inhibitorなど、今後日本でも導入されうる薬剤について知りました。領域としての血液内科の面白さは治療薬が日進月歩であることであると考えていますが、自分の想像を超えた範囲で治療薬の開発が進んでいることを今回実感し、今後もcatch upしていかなければならないと痛感しました。

 中でも一番印象深かったのはCAR-Tです。今回のASHにおいてTisa-cel、Liso-cel、 Axi-celのDLBCLに対する2nd lineでの使用成績が発表されました。日本でも近年症例数が増えているCAR-Tですが、同種移植と異なりその使用は3rd line以降に限られています。今回各々のCAR-TがEFSについてSOCを大きく上回ることが示されました。Financial toxicityなど未解決な部分も多く、すぐに今後治療ガイドラインが塗り替えられるかは不透明ですが、CAR-Tは血液領域でのブレイクスルーであることを再確認しました。

 新規治療だけではなく、日常診療にとって身近な内容の演題も多くありました。例えば、60歳以下のAMLの予後中間群に対してCR1での同種移植についての新たなRCTの結果や、CNS再発予防としてのHD-MTXの有用性についての多数例の後ろ向き試験などです。中には高度で稀有な解析を必要とせず、臨床業務の傍で行えそうな演題も複数あり、モチベーションを得ることができました。さらに、国際学会でのプレゼンテーションの仕方、質問やそれに対する回答の様子なども参考になりました。

 現地での参加が叶わなかったことは残念でしたが、オンライン参加のおかげで時差を気にすることなく、興味のある演題をいくつも視聴することができました。今後も継続的に参加していきたいと強く思い、目標を得ることもできました。このような有意義な機会をいただき、JALSGの関係者の皆様には感謝申し上げます。
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