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星野 匠臣 先生(済生会前橋病院)

ASH2008Report 済生会前橋病院 血液内科 星野 匠臣

 日々、日常診療に追われている若輩者の私が、米国血液学会 (ASH) に参加することなど、夢にも考えておりませんでしたが、今回、幸運にもJALSGの支援によりその機会を得ることができました。
大きな期待に胸を膨らませ る反面、私にとって初めての国際学会で、それが一体どのようなものなのかも全く予想できず、正直、不安でいっぱいでした。
しかし、ただでさえ忙しい中、私 の留守番をしているスタッフのことを考えると、その人たちの分まで多くのことを吸収してこなければならないと思い、気合いを入れ直して参加しました。
そして学会に参加してみて、そうした不安はすぐに吹っ飛んでしまいました。

まずその規模に圧倒されました。欧米はもちろんアジア、アフリカ、オセアニア…、世界各国から数え切れないほどの人たちがこの学会に参加しており、国際学会の規模の大きさに、ただただ圧倒されるばかりでした。

また規模だけではなく、その濃密さにも圧倒されました。
私は今回、慢性骨髄性白血病のセッションを中心に回りましたが、全てのセッションに最新の知見が詰まっていて、その素晴らしさにただ感動の一言でした。
普段、教科書や文献で見聞きするようなことが、自分の目の前で発表されているのかと思うと、何だか不思議な気分になりました。
また学会は早朝から始まり、夜まで続きますが、どのセッションにも多数の人が集まっており、皆、発表に真剣に聞き入り、ディスカッションしていました。
こうした雰囲気に、良い意味で“呑まれた”おかげで、自分も、真剣に勉強しよう・参加しようという、少なくとも姿勢をとることができました。
自分の中では今まで学会というと、正直少し気分が緩むイメージがありました。
今回、ASHに参加してみて、真剣な姿勢で学会に参加する・学ぼ うとする雰囲気こそが、ASHの素晴らしさではないだろうかと強く感じました。

また今回、多くの発表を見て感じたことは、必ずしも大規模な臨床試験や優れた技術がなくても、素晴らしい発表をすることができるのだということです。
例えば移植後長期生存者における肺機能障害についてまとめた発表 (Satomi Ito, et al. ; Late Pulmonary Dysfunction in Long-Term Survivors after Allogeneic Hematopoietic Stem Cell Transplantation with Intensified Conditioning Regimen Including Thiotepa, Cyclophosphamide, and Total Body Irradiation) では、特別な検査は行われていないものの、呼吸機能検査のデータが丹念にフォローアップされており、興味深い発表でありました。またCML患者におけるY 染色体の欠失とimatinibに対する難反応性との関係を指摘した発表 (Eric Lippert, et al.; Loss of the Y chromosome in Philadelphia-Positive Cells Predicts a Poor Response of CML Patients to Imatinib Mesylate Therapy) がありました。
これは患者一人一人を丁寧に診ていくことによって、こうした着眼点が生まれたのだと思います。
こうした発表から、患者一人一人を丹念に診て いくことの重要性を改めて痛感するとともに、一方で、それを実行していくことによって、たとえ一病院の勤務医ある自分でもASHに応募できる・あるいは採 択される可能性があるのだと思い、気持ちを新たにしました。

また反省すべき点も多くありました。
その最たるものが英語でした。
私自身、お世辞にも英語が得意とは言えず、不安には感じていました。
そして、その不安は 見事に的中しました。
学会場に限らず、現地で何かを尋ねようとしてもうまく伝えられない、また逆に何かを尋ねられても、聞き取れない、とっさの一言が出てこない…。
せっかくの国際学会で他国の人たちとうまくコミュニケーションがとれない…。
医学を勉強するという観点だけからではなく、大変当たり前のことになってしまうのですが、これからの国際化社会に向けて、語学の重要性を改めて認識させられました。

このように今回のASH参加は私にとって大変実りの多いものでした。ただ、敢えて要望を言わせてもらえるならば、それは、今回の研修に参加した者同士での 交流の場があれば、ということです。
地域性や施設の環境等にもよるとは思いますが、同世代の他院の医師と交流できる場はそう多くはないと思います。
国際学会という特別な環境に一緒に参加することで、互いに刺激しあうことができ、またひいては血液を学ぶ医師の裾野が広がることにもつながるのではないかと思い ます。

今後、この素晴らしい研修をより多くの医師、施設に広げていただければ幸いです。
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