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高橋 直人 先生(秋田大学 血液腎臓膠原病内科)

ASH2015ポスター報告 秋田大学血液腎臓膠原病内科 高橋 直人

 アメリカフロリダ州オーランドで行われたアメリカ血液学会ASH2015に参加し、
  JALSG STIM213の主要評価項目である薬剤中断1年目の無治療無再発 (Treatment
Free Remission, TFR ) 率などについて発表いたしました。
今まで報告されている臨床試験に比べJALSG STIM213のTFR率が約70%と高いことに
関する質問や、中断前の寛解の深さによって層別化した場合の再発率に有意な違いが
認められたことについて、多くの世界中の研究者から質問をいただきました。

  JALSG STIM213の成績の良い理由の一つとしては、発症時にSokalリスクの低い患者
さんが75%と比較的多い割合を占めていることやイマチニブの治療期間が中央値で約
7年ととても長いことが影響していると思われます。また、治療前に行った高感度の
IS-PCR検査にて、まったくBCR-ABL遺伝子を検出しない患者さんの場合は再発をみとめ
難いことも明らかとなり、いままでのAMP-CMLでは判定できなかった寛解の深さに達成
することがTFRに関してとても重要であることを示しました。
 
  イマチニブ中止試験(STIM)に関連した報告としては元祖フランスのSTIM1の長期
フォローアップ、ヨーロッパの多施設研究であるEURO-SKIの探索的研究として報告さ
れた免疫学的解析、アデレートからはDMRに関係すると思われるT/NK細胞、MDSCの変化
などが報告されました。

  STIM1では今回65ヶ月の長期フォローアップの結果が出され、22ヶ月以降現在まで
一例も再発していない状況が報告されました。当初の報告通り分子学的再燃が起きる
のは最初の7ヶ月です(再発した95%の再発時期にあたります)。万が一再発しても再
度深い寛解に入っていることも今回の長期観察で確認されました。これは十分なイマ
チニブ治療を受けてSTIM試験にエントリーできた症例が計画されたモニタリングを守
った場合は、おそらく安全に治療を中断できることを示しております。また、EURO-SKI
やアレデードからの報告のようにTFRのバイオマーカーとして免疫関連細胞の数や機能
の変化が注目されています。

  JALSG STIM213においてもいろいろな面から探索的研究を進め、どのような患者さん
がTFRを得られやすく、安心してTFRをお薦めしても良いのかに関して今後明らかにし
たいと考えています。
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