蓮沼 亮 先生(がん・感染症センター都立駒込病院 血液内科)
67th ASH Annual Meeting & Exposition 参加報告
この度、JALSG Young Investigator ASH Travel Award 2025に採択いただき、67th ASH Annual Meeting & Expositionに参加いたしました。開催地は米国フロリダ州オーランドで、各国から発表された最新の研究成果を聴講でき、非常に有意義な経験となりました。日常診療では、白血病や造血幹細胞移植・CAR-T細胞療法に携わる機会が多いため、これらに関する演題を中心に聴講しました。
まず、Plenary Sessionでは、未治療の強力治療適格の成人急性骨髄性白血病患者に対し、ベネトクラクス+アザシチジン(Ven+AZA)療法と従来の強力化学療法の治療成績を比較した第Ⅱ相試験の結果が報告されました。患者背景の違いなど解釈に注意を要するものの、Ven+AZA群が1年無イベント生存率で良好であることが示されました。さらに、Ven+AZAにFLT3阻害薬、IDH1/2阻害薬、MENIN阻害薬などの分子標的薬を追加する治療戦略に関しても多数の報告があり、今後の急性骨髄性白血病治療が変わりうる可能性を感じました。
細胞療法の領域では、日常診療への導入が進んでいないT細胞性急性リンパ性白血病に対するCAR-T細胞療法の臨床試験が、複数報告されていました。B細胞腫瘍や骨髄腫と異なり、CAR-T細胞同士の攻撃や高度の免疫抑制などT細胞腫瘍に対するCAR-T細胞療法特有の課題が存在し、それらを克服する様々な工夫が示されていました。短期間の観察期間ですが、1年以上寛解が維持される症例も複数報告され、今後の長期フォローアップ結果に期待したいと思います。
本学会参加を通じて、血液診療・研究の最先端に触れることができ、今後の臨床および研究を進める上で大きなモチベーションとなりました。今回、このような貴重な機会を与えてくださった、JALSG関係者の皆様に深謝いたします。今後、私も日本の血液疾患診療の底上げに微力ながら尽力し、今回の経験を後輩に伝えて精進したいと思います。
