松本 憲二 先生(横浜市立大学 血液・免疫・感染症内科)
ASH2016ポスター報告 横浜市立大学 血液・免疫・感染症内科 松本 憲二
SH2016に参加して
この度“58th ASH Annual Meeting and Exposition”に参加して、JALSGの臨床データを用いた後方視的解析の結果を発表させていただきました。
学会会場のあったサンディエゴはカルフォルニア州南端で、12月でも日本の春秋くらいの気温であり、滞在中は非常に天候に恵まれました。街の景観も非常に整備されていて美しく、メキシコが近いため、随所にメキシコ文化の名残を認めました。アートな建築物やガラス張りの高層マンションやホテルが蒼天の空に素晴らしく映えていました。メイン会場の建物もガラス張りの開放的なもので、世界中の人々が行き交いインターナショナルな雰囲気の素晴らしい会場でした。会場はサンディエゴ湾に接しており、近傍にあるダウンタウンのガスランプクォーターやリトルイタリーでは美味しい食事を堪能することができました。
今回わたくしは、JALSG AML201データを用いて「Outcome of newly diagnosed acute myeloid leukemia with hyperleukocytosis: Retrospective study of JALSG AML201」という演題で発表してまいりました。初発時に白血球数10万以上のAML症例は予後が不良ですが、AML201の解析では初期死亡は多くなく、適切な管理で早期合併症は乗り越えられるという内容でした。ポスター発表でしたので、夕方にディスカッションタイムがあり複数の質問を受けましたが、自身の発表内容を客観的に評価する上で非常に勉強になりました。
その他の講演については、多発性骨髄腫の発表は非常に活発で聴衆も多く、臨床研究分野の現在の中心的位置にあることを示していました。さらに新規治療法は各疾患において複数登場していましたが、残念ながら急性骨髄性白血病は新規性に於いてはやや寂しい印象を受けました。
今回のASH2016に参加して、国際学会ならではのスケールの大きさに圧倒しました。 特に目立っていたのは新規薬剤に対する臨床研究の数々においては米国の存在感が大きく、基礎研究に於いては中国人などアジア人の発表が目立っていました。海外で活躍されている日本人の先生方の発表が複数あり、非常に印象深く、励みになりました。
今回、大変貴重な機会をいただき、JALSGの諸先生方、共同演者の先生方、および事務局の方々に大変感謝しております。
