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小西 義延 先生(京都大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学講座)

 今回、JALSG Young Investigator ASH Travel Award 2018に採択頂き、60th ASH Annual Meetingへの参加および口頭発表の機会に恵まれました。

 

私はこれまで、造血幹細胞移植成績の向上を目指し基礎研究・臨床研究に取り組んできました。基礎研究においては、移植後免疫再構築の主要な場である胸腺に着目し、正常T細胞の分化に必須とされるERK (Extracellular signal-regulated kinase)シグナルの機能解析をしています。ライブイメージングによるシグナル伝達分子の分子活性可視化という所属研究室が確立してきた技術を胸腺細胞へ応用し、ERKシグナル活性化による胸腺細胞の運動動態制御機構を明らかにしました。本研究成果を報告した結果、特に制御性T細胞とその他のCD4 T細胞との間での差異や分化への寄与など複数の質問を頂くことができました。今後研究を進めていく上でどこに着目することが重要なのか、方向性を考える上で重要な示唆を得ることができ、他では得がたい貴重な経験を積めたと考えております。

基礎研究発表の多くで、CyTOFによる細胞集団や発現タンパク質の網羅的解析、およびCRISPR-Cas9による遺伝子編集技術が積極的に応用されていることがとても印象的でした。特にPlenary Scientific Sessionで報告されたAcute erythroid Leukemiaに関するSt. Jude Children’s Research Hospitalからの仕事には素直に感動しました。臨床検体を利用した遺伝子変異解析に基づく予後分類。そしてCRISPR-Cas9遺伝子編集技術による複数の組み合わせ遺伝子変異の導入。更に、得られた白血病マウスからの細胞株樹立・薬剤スクリーニング。From bedside to bench, bench to bedsideという研究姿勢が見事に体現された大変参考になる仕事でした。他にも、多発性骨髄腫細胞株へCRISPR-Cas9遺伝子編集技術を用いて複数の遺伝子変異を導入、遺伝子変異間の相互作用の影響を評価したHarvard Medical Schoolの仕事も印象的でした。sgRNAライブラリーが確立されていることもあり、短期間で非常に多くのdual knockout細胞株を樹立できたとのことでした。ASHへ参加したことで、海外の研究者と直接対話し研究の実体験を共有する貴重な交流ができました。

 臨床研究面においても、高リスクのSmoldering Multiple Myelomaに対するElotuzumab, Lenalidomide, Dexamethasone併用のPhase II Trialなど興味深い知見が数多く報告されていました。日進月歩する血液内科診療の最先端を直に学ぶ貴重な機会となりました。

 

以上、ASH Annual Meetingに参加することで、様々な研究者の方と直接話す貴重な経験を得ることが出来ました。今後の研究活動に活きる意見交換や交流に恵まれました。最後になりましたが、このような素晴らしい機会を与えてくださったNPO-JALSG支援機構およびJALSGに深く御礼申し上げます。

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