よりよい白血病治療のために
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高橋 幸江先生(都立大塚病院 輸血科)

 この度はASH2011に参加するという貴重な機会を頂き、誠にありがとうございました。
一番感動したのは、Plenaryにおいて、日本人が賞を得たその瞬間に立ち会えたことです。
海外で研究を進めていくのも素晴らしいことですが、「日本発」の研究を行っていくというのも魅力的で
あると思いました。

以下、簡単ではありますが、学会において興味深かった発表を報告させて頂きます。
前半はEducational Programを、後半は現時点で興味の高かった骨髄腫と白血病メインに
Oral/Poster sessionを見に行って参りました。どのセッションにおいても、日本では耳にしたことのない
新規薬剤と、ヒトゲノム解読後のエピジェネティクスに研究 の潮流がきていることに目がいきました。

骨髄腫に関しては、新規薬剤の台頭により、PhaseⅠ/Ⅱの様々な報告が散見していました。
その中でも、再発/不応例に対する発表に興味がありました。

#.Oral session Abstract 305
様々な固形癌・血液の悪性腫瘍で発現しているCD138(Syndecan-1)は多発性骨髄腫においては
最も特徴的な標的抗原である。ドイツで開発され た抗体薬BT062は、抗CD138モノクローナル抗体と
殺細胞薬DM4の複合体である。今回初めてヒトにおいてBT062の効果を検証した。
 grade2-3の皮膚炎・粘膜障害が報告されたが、他重篤な障害は出ていない。

#.Poster session Abstract 42451
新規発症骨髄腫において、t(4;14)をもつ症例は11.5%と比較的頻度は低い。
ボルテゾミブベースのレジメンが望ましく、移植ができない症例でも高い寛解率が得られた。

白血病は、Plenaryにも取り上げられていましたが、GOERAM studyにおいてGO療法の再開に
希望がもたれる発表が一番の関心事でした。

#.Abstract79
AML予後中間群において、今までの寛解導入療法及び地固め療法にGOを上乗せすると
CR rate, EFS(3yrs)において改善がみられた。有害事象はVODがメインで、早期死亡は10%と
比較的高い。

#.Abstract497
SAL studyにおいて、FLT3-ITD mutationを高確率にもつ患者における同種移植は、
OS及びEFSは良好であり、地固め療法を行い移植しない患者群に特化してもDFS及びOSの
改善がみられた。

 私自身も、今回移植後尿中アルブミンの増加と死亡率の関係についてポスター発表をさせて頂きました。
ポスターは、アルコールや食べ物を片手に、和やかな ムードの中での発表でした。
日本と違い、質問があれば答えるという形式が新鮮でした。同じセッション内では海外の同期医師にも
出会うことができ、非常に刺 激を受けました。
また、学会開催中に、大野先生始め日本の血液内科の歴史を築いてこられた先生方や同期の皆さんと
食事会でお話しできたことも良い思い出で す。日本は勿論のこと、世界に向けて常にアンテナを向けて
up to dateの知識を得ていかなくてはいけないなと、思いを新たにしました。

 今回の経験を、これからの日々の臨床に役立てていきたいと思います。
本当に、ありがとうございました。
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