よりよい白血病治療のために
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原田 靖彦先生(名古屋大学血液・腫瘍内科)

SOHO2018体験記

 私はこの度、Society of Hematologic Oncology (SOHO) の年次総会に出席させていただきました。
出席者は米国のみならず、欧州、アジア、中南米と全世界からに参加しており、非常に活気にあふれておりました。
ヒューストンのダウンタウン地区にあるホテル内で行われ、米国血液学会 (ASH) の年次総会などと比較すると規模は小さいものの、それゆえ非常に刺激的なものでした。

  ASHの年次総会などでは、会場が多数に別れ、なおかつ内容が細分化されているため、すべての疾患群に関して、まんべんなく学ぶことはまず不可能です。
一方、今回参加させていただいたSOHOの年次総会では、会場が集約されている分、白血病、リンパ腫、骨髄腫など、あらゆる血液疾患について、reviewから現状の問題点ならびに今後の展望と、幅広く学ぶことができました。
さらに内容も決して薄いわけでなく、演者は各分野の第一人者であり、最新のデータも含め、効率よく深い学習が可能でした。
また、biologyの観点からのlectureもあり、非常に興味深いものでした。
教科書数十冊分を数日で学ぶことができると言っても過言ではありません。

 私は今年で医師になり10年目ですが、現段階でこの年次総会に参加し、見識を深められたことは、非常に喜ばしい事と感じました。
内容は当然すべて英語です。私は決して英語力が高いわけではありませんが、スライドも全てon-lineで配布され、後からじっくりと読み直すことも可能ですので、英語が苦手であっても十分に勉強することが可能です。 

 しかし、私は多くの内容を学んだと同時に、強い危機感を感じました。多くの疾患に共通して、CAR-Tや、BCL-2阻害剤をはじめとする新規薬剤など、本邦では一部を除いてまだ十分に普及していない内容が多く見受けられました。
またAMLにおける低用量gemtuzumab ozogamicinの追加や、中枢神経原発悪性リンパ腫に対するテモゾロミドの使用などは、海外では広く行われている一方で、本邦ではまだ適応がありません。
もちろん、海外のデータがそのまま日本人に適応できるわけではないため、それを踏まえた本邦における臨床試験、治験を実施していく必要があるのですが、治療以外の段階でも、種々の疾患に共通して、NGSやMulti-color flow cytometryを用いたMRDの測定などが行われており、これらは本邦において一部の研究機関では行われているものの、まだ一般的な医療施設において標準化できているとは言い難く、保険適応の問題も含め、あまりにも多くの問題が山積しているのが現状です。
日本における血液疾患診療は、まだ世界に遅れを取っていると言わざるを得ません。
このような視点や危機感は、国内で臨床のみを行っているだけでは得られなかったと思います。 

 我々は、常に世界に目を向けつつ、日常診療、臨床研究や治験、基礎研究を行っていく必要があります。
自身の知見を深めるだけでなく、今後、自分がどのような人材を目指していくべきか、深く考えさせられる機会となりました。 

 今回、このような機会を与えてくださった、愛知県がんセンター名誉総長である大野竜三先生をはじめ、名古屋大学血液内科の清井仁教授に心から感謝申し上げます。
今回の経験を活かし、日本の血液診療をより良いものにできるよう、今後も精進していけたらと思います。
ありがとうございました。
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