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新井 康之先生(京都大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科)

ASH2014参加報告 京都大学医学部附属病院血液・腫瘍内科 新井 康之

 このたびは、JALSG Young Investigator ASH Travel Awardをいただき、ASHに参加する
ことができました。ASHへの参加は今回で5回目となりますが、今回も、最新の知見に触れる
ことで、大きな刺激を得られる貴重な経験となりました。

プレナリーセッションでは、60歳以下の新規AMLに対するソラフェニブの上乗せ効果に関する
RCT(SORAML試験)の結果に興味を持ちました(#6)。マルチキナーゼ阻害剤であるソラフェニブは、
61歳以上を対象にしたRCTで、全生存割合・無病生存割合ともに上乗せ効果が示されなかった
(J Clin Oncol. 2013;31:3110-8.)ことから、今回、高齢者を除いた本試験の結果が注目されて
いました。主評価項目である3年時点での無再発生存割合は、ソラフェニブ群40%に対して、プラセボ群
22%と有意差を認めました。追跡期間が3年とまだ短い時点での報告ですので、副次評価項目の
3年全生存割合は有意差がありませんでしたが、AMLの新規治療薬剤としてソラフェニブの有効性を
示唆する報告であり、これからも注目していきたいと思っています。

一般演題では、同種移植後におけるCMV再活性化と、再発や非再発死亡との関連を解析した、
CIBMTRからの報告(#47)に注目しました。CMV再活性化が移植後の再発率を減少させるか否かに
関しては、これまで数報の相反する報告があります。今回、1万例を超える多数例において解析した
ところ、CMV再活性化の有無は、移植後再発割合と相関なく、AMLを除く多くの疾患で、非再発死亡
を増加させるという結果でした。今後とも、CMV再活性化を抑えるような対策が必要であるという
メッセージは説得力のあるものでした。

2日目の夜に開かれた夕食会では、他のAward受賞者やJALSGの先生方といろいろな意見交換が
でき、こちらも非常に有意義な時間でした。今回のAwardを機に、JALSGの活動に積極的に参加し、
自分自身の研鑽を積んでいきたいと考えております。
最後になりましたが、御世話になりました事務局の皆様方や先生方に深く御礼申し上げます。