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中野 裕史先生(府中病院血液疾患センター)

ASH2012Report  社会医療法人生長会府中病院 血液疾患センター 中野 裕史

この度、JALSG支援機構より研修費補助を受け、2012年12月第54回ASHへ参加させていただきました。
ASHに参加させて頂く機会を作って頂い たJALSG支援機構の先生方・事務局の皆様に深く感謝致します。
これまでに国際学会に参加したことが無かった私にとって大変貴重な経験となりました。
簡単ではございますが、ASHで学んできたことを報告させて頂きます。


Oral session

FLT3選択阻害薬QuizartinibのPhase2studyの報告。治療抵抗性もしくは再発FLT3ITD(+)のAMLに対し、
FLT3選択阻 害薬でQuizatinibを投与すると寛解率の改善を認めただけなく、副作用も非常に少なかった
と報告されました。
現在、APL以外のAMLは DNR/Ara-C療法もしくはIDR/Ara-C療法で寛解導入療法を行っていますが、
将来的には遺伝子異常に合わせて化学療法を選択し、現在より高い 寛解率を得る事ができるように
なると感じた発表でした。
また、AMLに対するICE療法とCytarabineをアザシチジン(AZA)に変更したAZA-IE/I‐AZA‐E/
IE‐AZA療法の比較したstudyが報告されました。しかし、AZA-IE/I‐AZA‐E はICE療法より完全寛解率は
低下したと報告されました。
しかし強力化学療法の後にAZAを投与するAZA-IE療法に関しては完全寛解率に有意差は認めません
でした。また、10.6カ月後における全生存率にも有意差を認めませんでした。
現在、日本ではMDSにしか保険適応はありませんが、単剤ではなく他 剤と併用する事によってAMLに
対しても効果を認めており今後の投与方法の変化が予想される非常に興味深い内容でした。

Poster session
 
高齢者AMLの予後に対しBMIがどう影響するかという内容でした。
BMIが25以下の群が25~30の群、30以上の群と比較すると有意に全生存率が低下したとの報告でした。
また、高齢者AMLに対し、DNA阻害薬とRNA阻害薬の組み合わせで投与する方法が検討されており、
ベンダムスチンとイダルビシンの投与を行い、効果を認めたとの報告があった。
高齢者AMLに対する化学療法の選択は非常に悩む事が多く、非常に興味深い内容でした。

英語力がないために、耳から入る情報は少なくスライドを追いかける時間が非常に長かったですが、
世界の広さを肌で感じることができ非常に有意義な経験をさ せていただきました。
また、懇親会の機会を設けて頂き、同年代のAward受賞者の皆さんやJALSGを中心となって
動かされている御高名な先生方とお話 できたことも非常に有意義で楽しい思い出となりました。
最後に繰り返しとなりますが、このような素晴らしい機会を与えて頂いたJALSGの先生方・事務局の
皆様に心より感謝いたします。