よりよい白血病治療のために
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小屋 紘子先生(済生会前橋病院 白血病治療センター)

ASH2011Report  済生会前橋病院 小屋 紘子

 この度、JALSG支援機構より研修費補助を受け、サンディエゴで開催された第53回米国血液学会へ
参加させていただきました。
 海外学会への参加は初めてで、参加人数の多さ、会場の規模の大きさに、驚かされました。
また、演題も多岐にわたっており、abstractを読んでは、 今日は何を聞こうかとわくわくしながら悩む、
非常に楽しい毎日でした。そのなかでも特に印象深かったいくつかの演題について以下に述べたいと
思います。

 Plenary sessionでは50~70歳の初発急性骨髄性白血病患 者を対象に標準化学療法に
ゲムツズマブ・オゾガマイシン(GO)分割投与を加えたランダム化比較試験が報告され、GO併用群で
EFS・OSの有意な改善を 認めたことが示されていました。
今回の報告を機に、さらなる症例が蓄積され、治療の選択肢が広がっていくことが期待されました。

 日本からも、iPS細胞を用いた血小板生産についての発表がありました。日々、大量の血小板輸血を
使用させていただいていることを考えると、一日も早 く、臨床での使用ができればと思いました。
また、数多くの演題の中から、日本の演題がPlenary sessionに採択されていることは、非常に誇ら しい
ことと感じました。

 Education programではALL、AML、MMなど、疾患ご とに最先端の知見を含めた内容が非常に
わかりやすく整理されており、知識を確認できた一方、自分の不勉強さを痛感しました。
疾患についてだけでなく、輸血 に関するprogramでは赤血球や血小板由来の免疫調節因子が多く存在
していることを知り、血球そのものの見方が変わりました。

 Oral sessionでは急性骨髄性白血病の予後予測因子として、遺伝 子変異等が数多く報告されて
いました。CBF白血病におけるFLT3変異がプロスペクティブ研究においても予後不良の予測因子として
結論づけられるととも に、ゲノム解析が今後の予後予測には有用であるとの報告がありました。
予後予測にゲノム解析が有用とする報告はその他にも散見され、今後の研究や臨床での応用がどのように
変化するのか、興味深い内容でした。

 今回、ASHに参加させていただき、それぞれの症例をもとに、研究へとつなげ、広く世界へと伝える
ことの大切さを改めて感じることができました。
また、 どの発表も時間が厳守されながらも内容の濃いものばかりで、語学力のみならず、プレゼン
テーション力の向上が不可欠であると感じました。いつの日か、発表者としてASHに参加できる
よう、日々の努力を続けたいと思います。
 最後になりましたが、参加の機会を作って頂きましたJALSG支援機構の先生方・事務局の皆様、
留守中の業務を代行していただいた済生会前橋病院血液内科の先生方に深く感謝致します。
ありがとうございました。