よりよい白血病治療のために
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沼田 歩先生(神奈川県立がんセンター 血液内科)

この度は、JALSG  Young Investigator ASH Travel Awardで、ASH参加という貴重な機会を頂き、
誠にありがとうございました。私にとっては、初めての国際学会、初めてのアメリカであり、
とても遠い存在の学会でしたが、世界のトップの先生方が考えられていることや、
現在留学中の日本の先生方の御発表やお話を身近に聞くことができ、大変勉強になりまし た。
52回目のASHは、Orlandoというディズニーワールドで有名な観光都市で行われました。
アメリカでは南側に位置しているため、温暖という前情報のもと、比較的薄着で行きましたが、
日本よりも寒く、マフラーが手放せない状態でした。
 
 ASHでは、教育講演を中心に聴講させていただきました。
AMLのセッションで は、新しい予後マーカーについて、さまざまな遺伝子マーカーが提示されており、
JALSG-209GSの研究との関連を感じました。
また、blue- color workersやAfrican-American malesはそれぞれOSが悪いと報告されており、
保険制度の整っている単一民族国家の日本との研究テーマの違いを感じました。高齢者AMLに対しての
治療は、75歳までの患者の50%は減量せずintensive therapyを、80歳でもPSが良ければ減量せずに
治療を行い、79歳まではRISTでの移植を考慮すると述べられていました。
 移植のセッションでは、慢性GVHD、HCT-CI、移植後のQOLについて述べられていました。 
その中でも、私が最も移植後のQOLについてでした。QOLの評価を、physical functioningだけでなく、emotional functioning、social functioning、role functioningに関してPRO(patient-report outcomes)で評価
することが述べられており、移植後“OS”だけでは語れないところまで踏み込んだ研究に興味を持ちました。

 また、今回、私自身ポスターで、発表させていただく機会を頂きました。ポスター会場は、緊張する私とは
反対に、軽食やワイン、ビールなどがふるまわれ、とても和やかな雰囲気で行われていました。
私は「R-CHOP療法で治療した濾胞性リンパ腫に対して、FLIPIよりもFLIPI2の方がTTF(Time-to-treatment
 failure)に関しては有効な可能性がある」という発表をさせていただきました。何名かの先生方に質問して
いただき、慣れない英語で答えはしどろもどろにはなっていたものの、自分の発表に興味を持っていただく
喜びを感じました。
 
 ASHに参加させていただき、一番驚いたのは、世界で活躍されている女性医師の多さです。
posterやoral sessionだけでなく、education programでも女性医師の御講演が数多くあり、尊敬の眼差しで
見るばかりでした。

 最後になりましたが、このような貴重な機会を与えて下さったJALSGの方々、また、ASHに演題を出す
機会を下さった横浜市大グループの先生方、待っていて下さった患者さんに深く感謝いたします。
本当にありがとうございました。