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藤澤 信先生(横浜市立大学附属市民総合医療センター 血液内科)

ASH2014ポスター報告 横浜市立大学附属市民総合医療センター血液内科 藤澤 信

Imatinib-Based Chemotherapy for Newly Diagnosed BCR–ABL Positive Acute
lymphoblastic Leukemia:
Japan Adult Leukemia Study Group (JALSG) Ph + ALL208 Study


Shin Fujisawa, Keitaro Matsuo, Shuichi Mizuta, Hideki Akiyama, Yasunori Ueda,
Yasutaka Aoyama, Yoshihiro Hatta, Kazuhiko Kakihata, Nobuaki Dobashi,
Isamu Sugiura, Yasushi Onishi, Tomoya Maeda, Kiyotoshi Imai, Shigeki Ohtake, 
Yasushi Miyazaki, Kazuyoshi Ohnishi, Tomoki Naoe


緒言

未治療の成人Ph+ALLを対象としたイマチニブ併用多剤併用化学療法(PhALL208)を
Japan Adult Leukemia Study Group(JALSG)の多施設共同前向き試験として計画し、
その結果について解析した。

治療プロトコール

寛解導入療法として化学療法(CPM + DNR + VCR+PSL)に加えてday8-42まで
イマチニブ 600mgを経口投与した。寛解後の地固め療法は、MTX+Ara-C+mPSLによる
化学療法およびday4-21までイマチニブ600mgを併用したC1と、CPM + DNR + VCR+PSL
 による化学療法およびday2-21までイマチニブ600mgを併用したC2をそれぞれ交互に4回
繰り返した。その後、月1回のVCR+PSLの投与に加えてday-1-28までのイマチニブ600mg
内服を、寛解から2年間継続する維持療法を行った。適切なHLA一致ドナーが確認された
場合には速やかに同種移植を行う事を推奨し、非血縁者間移植についても施設規準で可
とした。

患者背景

2008年10月から2010年12月までに登録され適格症例68例で、年齢中央値は
49歳(18-64歳)であり、55歳未満が40例、55歳以上が28例であった。観察期間
中央値は34ヶ月であった。

結果

65例に完全寛解を認め、寛解率は95.6%であった。寛解導入療法中の早期死亡は
3例に認められた。3年無病生存率は52.3%、3年生存率は61.7%、3年累積再発率は
34.7%であった。43例が第一寛解期で同種移植を施行し、31例が無再発生存中、
6例が再発しそのうち4例が死亡した。第一寛解期で同種移植を施行しなかった22例中、
9例が無再発生存中であり、1例が第二寛解期で同種移植を施行し生存中である。
第一寛解期における同種移植施行例の3年無病生存率は73.0%で、非移植群では
28.0%であった(P=0.058)。さらに第一寛解期で同種移植を施行した55歳未満35例に
おける3年無病生存率は76.7%、3年生存率は80.4%と良好な結果であった。


結語

イマチニブ併用化学療法であるJALSG PhALL208プロトコールは高い寛解率が
得られ、特に55歳未満の症例においては同種移植により、さらに予後の改善が
得られることが示唆された。