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宮脇 修一先生(東京都立大塚病院)

ASH2009ポスター発表報告 東京都立大塚病院   宮脇 修一

Phase 2 Study of FLAGM (Fludarabine+High-doseara-C+G-CSF+
Mitoxantrone) for Relapsed or Refractory Acute Myeloid Leukemia (AML): A Report from the Japan Adult Leukemia Study Group (JALSG)  Saturday, December 5, 2009
Ernest
N. Memorial Convention Center, Hall E Poster Board I-80

この研究では、再発及び難反応性急性骨髄性白血病 (AML) に対するG-CSF、fludarabine、Ara-C、mitoxantroneを併用するFLAGM療法の有効性と安全性、さらにin vitroでのフルダラビンによる白血病細胞内ara-CTPの生成増加率と臨床効果との相関を検討した。

方法

FLAGM療法では、G-CSF(300μg/m2)を治療開始時、24時間後、48時間後、72時間後に皮下に投与し、
fludarabine(15mg/m2)を、20時間後、32時間後、44時間後、56時間後、68時間後、80時間後、92時間後、104時間後から30分をかけて点滴静注した。
また、Ara-C(2g/m2)は24時間後、36時間後、48時間後、60時間後、72時間、84時間後、96時間後、108時間後から3時間をかけ、mitoxantrone(10mg/m2)は72時間後、96時間後、120時間後から30分をかけて点滴静注された。
白血病細胞のara-CTP濃度は治療前の検体を用い高速液体クロマトグラフィーで測定した。

結果

2004年6月から2008年2月までに18歳から65歳以上のM3、hybrid leukemiaを除く再発・難治AMLの41例が登録された。
1例の早期死亡があったが、29例が完全寛解(CR)、1例が血小板の回復が不良のCRpで、奏功率は75%であった。
初回再発例、初回導入不応例のCR率はそれぞれ50%、80%で、初回寛解期間が12ヶ月以上の晩期再発例のCR率は83%、12ヶ月未満の早期再発例のCR率は77% (P=0.67) であった。
また、以前にHigh-dose ara-C (HiDAC)を受けたことがない症例のCR率は 69% で、HiDACの治療を受けた症例でも79% (P=0.46)の寛解率が得られた。
また、年齢、性別、染色体リスク別の寛解率に差は認められなかった。

  FLAGM療法の有害事象(grade2-4)で最も頻度の高かったものは感染症(73%)で、嘔気/嘔吐 (32%)、口内炎(20%)、下痢(20%)、発熱(15%)がこれに続いた。白血球減少、血小板減少は全例で認められた。
寛解が得られた症例の白血球数の最低値(nadir)の中央値は0.1 x 109/L で、白血球数1.0 x 109/L 未満の期間の中央値は24日であった。
また、白血球数の最低値となるまでの中央値は治療開始後9.5日であった。

 観察期間の中央値は11ヶ月で、全生存率(2年)は39.4%であった。
また、FLAGM療法が奏功した症例の全生存率(2年)は51.5%、非奏功例では0% (p<0.0001)であった。
寛解後移植を受けた症例の全生存率(2年)は41.9%、化学療法では31.3% (p=0.130)であった。
寛解例の無再発生存率(2年)は41.5%で、寛解後移植を受けてない症例の無再発生存率(2年)は0%、移植を受けた症例では46.3%であったが統計学的には有意差はなかった(p=0.173)。
尚、FLAGM療法が奏功した30例のうち20例(67%)が同種幹細胞移植を、7例(23%)が臍帯血移植を受けていた。
それぞれの無再発生存率(2年)は37.1%、71.4%であった。

 21症例で白血病細胞内ara-CTP濃度の測定が可能であったが、fludarabine添加によるara-CTPの増加率は、寛解例1.19、非寛解例1.18で有意差はなかった。(p=0.64)

結論

FLAGM 療法は再発・難治AML に対する有効なsalvage療法で75%と高い奏功率を示した。
また、早期死亡は肺炎による1 例のみで、安全な治療である事が明らかになった。
しかし、fludarabine添加による白血病細胞のara-CTP濃度の増加率による反応性の予測は出来なかった。