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大竹 茂樹先生(金沢大学)

ASH2008報告 ポスター発表(Dec. 7, 2008) 金沢大学 大竹 茂樹

Updated Results of JALSG AML201 Study Comparing Intensified Daunorubicin with Idarubicin in Patients with De Novo Acute Myeloid Leukemia: Effect of Hematopoietic Stem Cell Transplantation.
Blood (ASH Annual Meeting Abstracts), Nov 2008; 112: 2171.



Ohtake S, Miyawaki S, Fujita H, Kiyoi H, Shinagawa K, Usui N, Miyamura K, Nishimura M, Miyazaki Y, Nishii K, Nagai T, Yamane T, Taniwaki M, Takahashi M, Yagasaki F, Kimura Y, Asou N, Honda S, Ohnishi K, Naoe T, and Ohno R

 JALSG AML201プロトコールの最終結果について、特に寛解導入療法の結果と予後におよぼす造血幹細胞移植の影響に焦点を当てて報告した。
 AML201プロトコールでは、急性骨髄性白血病(AML)の寛解導入療法において、増量したdaunorubicin (DNR; 50 mg/m2 daily for 5 days)は標準量のidarubicin (IDR; 12 mg/m2 daily for 3 days)に劣らない寛解導入率をあげられるか否かについて無作為比較試験が行われた。
2001年12月から2005年12月の間に初発のFAB-M3を 除くAML1,064例が登録され、1,057例が解析可能であった。
 年齢の中央値は47歳(15歳?64際)で、完全寛解率はDNR群78%(95% CI:74% ? 81%)、IDR群78%(同:75% ? 82%)であった。非劣性試験による検定では、DNR群IDR群共に相手を5%以上上回るという帰無仮説は棄却され、増量したDNRによる寛解導入療法は 標準量のIDRによる寛解導入療法に劣らないことが示された。
また、5年総生存率(OS; DNR群48%、IDR群48%)、寛解例の無再発生存率(RFS; それぞれ41%、41%)とも差がなく、両曲線は両群間で重なっていた。

 次に造血幹細胞移植の長期予後におよぼす影響をmatched pair analysisにより解析した。染色体分析により予後中間群または不良群と判断された症例は、HLA一致血縁者が居る場合は第一寛解期に造血幹細胞移植 を施行することが勧められた。第一寛解期に寛解例の16%にあたる132例(血縁移植72例、非血縁移植60例、年齢の中央値37歳)が造血幹細胞移植を 施行されていた。
移植例では5年OS(血縁移植54%、非血縁移植70%、p = 0.479)、5年RFS(血縁移植57%、非血縁移植67%、p = 0.416)と血縁移植と非血縁移植に有意差がないため、両者はまとめて移植群とした。
染色体核型、JALSGスコア、寛解導入療法群と施行回数、寛解後 療法および年齢の一致する94組を選び出し、移植群94例と非移植群146例について解析した。

 初診時白血球数、芽球のPOX陽性率は両群間で有意差はなかったが、FAB分類では移植群に予後の悪いM0、M6または M7が多く含まれていた。
5年RFSは移植群64%、非移植群28%で移植群が有意に優っていた(p < 0.0001)。
5年OSでも移植群64%、非移植群52%で移植群が有意に優っていた(p < 0.029)。
累積再発率(CIR)は移植群19%、非移植群67%、累積治療関連死亡率(CITRM)は移植群17%、非移植群5%であった。

 移植群では寛解後移植施行までの期間の中央値は148日(30日?758日)で、最初の再発が111日目であったのに対して、非移植例では111日まで に22例が再発をしていた。
このハンディキャップを補正するために、これらの22例を除外して解析したところ、5年RFSは64%対と32%と有意差(p < 0.0001)を認めたが、5年OSは64%対と56%有意差が消失した(p = 0.188)。
再発後に移植を受けた症例の5年OSは47%であり、再発後の移植により多くの症例が救命されていた。

 以上より、増量したDNRは標準量のIDRに劣らない治療成績を上げることができ、予後中間または不良群に分類されるAMLは、適切なドナーが居る場合は第一寛解期に移植を受けることにより無再発性生存の可能性が高まることが示唆された。